マンション大規模改修工事

平成5年に当社で新築させていただいたマンションの大規模改修工事をさせて頂きました。当時では珍しいコンクリート打放素地とタイル貼の外壁が象徴的なマンションです。今回の改修工事はオーナー様よりお声掛けいただき実施の運びとなりました。

このマンションの前を通るたびに、少しずつ傷んできている状態を気にしていましたが、改めて詳しく見るとやはり激しく傷んでいる箇所もありました。それで、今後も長年に渡って維持管理するために、この機会にどうやってリニューアルすればオーナー様や入居者様にとって良いものに生まれ変わるか、十分に検討させていただきました。

今回は屋根防水の耐候性の向上と躯体コンクリート劣化の抑制(打放コンクリート面の再生)に重点をおいて改修工事を行うことになりました。(耐候性とは、風雨や温度変化、太陽光に対して劣化を起こしにくい性質のことを言います。)

工事が決まり、現場作業をスムーズに行うためには何よりも入居者様との工事情報の共有が大切です。現場監督の主な仕事は入居者様対応となります。天気予報と作業予定を見比べ、先を読みながら、物干し情報の発信や利用制限、車の移動のお願い等、毎日チェックが必要です。

永年お住いの方が多い為か、入居者の皆さまはマンション内に設置した工事用の掲示板を良くご覧いただき、アンケート用紙を使ってご質問やご要望も事前にご連絡いただけました。たいへんご協力いただき、ほんとうにありがたかったです。

永年の風雨から建物を守っていた屋根は、ご覧のようにかなり傷んでいました。

下地の部材を新しくし、防水処理を行い、ガルバリウム鋼板の屋根材を利用しての「カバー工法」を採用しました。

一方のコンクリート打放面の改修は、経年によるひび割れや剥離・欠損を十分に補修するため、エスケー化研株式会社様に協力いただき、「セラミRC-FR工法」を採用し、自然なコンクリート打放の風合いや素材感を再現することにしました。これは耐候性にも優れた工法です。

本体の工事も終わり、足場の解体時には、30年前の完成の姿に戻ったような、懐かしい気持ちになりました。

この後、エントランスや駐車場・駐輪場の整備を行い工事が完了となりますが、先日、入居者様用のアンケート投入ポストに1枚のアンケートが入っていました。

現場で作業するものにとって、何よりのねぎらいのお言葉をいただきました。

入居者の皆さま、オーナー様、長い間のご協力感謝いたします。ほんとうにありがとうございました。