地震で傾いた受水槽の改修工事

みなさんこんにちは!

宝塚のリフレ三和建設の辻です。

 

昨年暮れに担当させていただいた、少し変わった工事をご紹介します。

高槻市のお世話になっている医院様の受水槽です。

 

一昨年の大阪北部地震以降、水槽が傾いているということで現地調査させていただきました。

来客駐車場の隅にある受水層が最大11㎝傾斜していました。

幸い配管等はクリアランスがあるため破損等の危険は今のところ無さそうですが、大きな水槽なので均等に加重がかからない事で、水槽本体の破損の可能性があること、少しずつ傾斜は進行しているので今後、大きな地震等が発生したときライフラインへの影響のリスクを減らすことを目的として、傾斜修正工事をさせていただくことになりました。

 

まずは正確な測量と周辺状況の詳細な調査を行います。

また、専門業者様に委託して基礎が乗っている地盤の状態を知るため近傍の地質データを取り寄せていただきました。

当初計画では、一旦基礎と受水槽本体を切り離して受水槽の水を抜き、受水槽をジャッキアップして基礎との間に金属製のスペーサーを挿入し、再度固定するという方法を想定していましたが調査の結果、地質の状態から判断して今後も進行の可能性があると判断し、今回は薬液注入による地盤補強とリフトアップを行うことになりました。

今回実施した薬液注入による地盤補強は、地中にロッド(鉄の筒)を突っ込み、セメントと水ガラス(ケイ酸)硬化剤を地盤の小さな隙間に注入し地盤全体を固めていく工法です。

 

今回はこれを5m下の地層から順番に受水槽の基礎の真下まで行いました。

地中の中は見えませんから、職人さんの腕の見せ所です。

2人で息を合わせレベルチェック、注入量、地表の状態や音を監視しながら、注意深く作業は進みました。

 

2日の予定でしたが予防処置的に少し改良の範囲を広げたので、3日間かけて作業は無事終了しました。

最期にもう一度全体のレベル(水平度)を確認し、受水槽の配管の接続を確認し盛り上がる時に割れてしまった地表面のアスファルトのひび割れを補修して作業完了です。

 

駐車場や倉庫の床、掘り込みガレージや家屋の傾斜改修にも多く使われている工法です。

私もすごく良い経験が出来ましたので、今後に生かしていきたいと思います。